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2019年春 沖縄の地にて

琉球の聖地のひとつであった内間御殿(ウチマドゥン)にあるサワフジという花の木
サガリバナとも呼ばれるこの花は甘い匂いがするらしい
夕方に咲き その翌朝には散ってしまう儚く美しい花よ
樹齢470年にもなるというあなたはあの沖縄戦の激戦地を生き抜かれた

いつ建てられたかはしらない石の鳥居には爆風の傷痕が大きく刻まれていた
石垣は崩れそうになって黒い土のう大袋と プラスチックの真緑の柵に囲まれて
東御殿(アガリーウドゥン)の裏手には 被いをかけられた石垣の石たちが いつ修復されるのだろうと静けさの中待ちかねていた

沖縄戦で消失した東御殿(アガリーウドゥン)にはトタン屋根の木造の祭祀小屋が建っていた
西御殿(イリウドゥン)はトタンとロープで小さな空間が作られ 均衡を保ちながらその場所にひっそりと佇んでいた



琉球の聖地
かつての王の縁(ゆかり)の地


いつぞや首里城の玉座を取り囲み 携帯電話で写真を撮ろうとする人々の波に酔い
琉球を奪い 踏みつけ搾り取るヤマトの歴史の今を 見せ付けられ
言いようの無い羞恥心と申し訳なさに嗚咽を抑えられずにいたあの日のような心持で
私は言葉を失っていた



日を置いて目にした
血眼を見開いたまま 肉塊となり打ち上げられた傷だらけのジュゴンの写真

窓から見ゆる青き海  赤土色に染まる北部の沿岸部と辺野古新基地建設の土砂投入地点を見つつ空を飛んだ一月前
盛り土に息塞がれる生き物の声なき悲鳴に突き刺されながら 合わす顔もなく
あの時、あの海で この人魚はまだ命をつないでいたかもしれなかったのに

パソコンの画面に映る遺体を指でなぞりながら こんな涙は安すぎる感傷でしかないのだと思いながらも
どうしても涙を抑えられえず何度も呟いた 
― 「ごめん」なんて言うなら奪われた全てに言って涙して? 

戦世(いくさゆ)が来ると分かりし人々が暮らし投げ打ち 今日も土砂降りの中 海からの寒風の受けて現場に立たれ
戦争を味わった方たちが御老体で権力と対峙している
集まった方たちが心合わせてゲートの前で歌っている
一方で
私は家のなか戦闘機の重低音を空から受けつつ 寒気のする身体で こんな詩のようなものを書いている

どうして私の国は いつまでもこんなにも恥ずかしく申し訳ないのだろうか
それに対して無力ではないはずなのに こんな日は力を奪われるような気持ちになる

ほんとうにいつまで続けるの?

どこまで踏みにじれば 私の国は満足するのだろうか

誰かを踏みにじっていることで自分も文句は言えないよ  もはや今がそうではないの
と人々に呼びかけたくても
明日は我が身と思えるひとはとっくに何かを始めてて
私は何かできている?

小さな島に日本軍がしたことの事実を 歴史を踏まえれば もうヤマトの軍の基地など作れないはずなのに
ありとあらゆる離島に「自衛」という妄想から軍事基地がハイスピードで作られて
宮古島の地下水が自衛隊の燃料に汚染されてしまったら もう誰も住めなくなってしまうのに計画は止まらない

軟弱地盤に何万本も釘を打ったら「アンダーコントロール」 原発も「アンダーコントロール」
うそつき
ほんとうに完成させる気なんてないくせに
汚い金の流れと権力への媚びと諂(へつら)いに反吐がでそうだ
―総理、あなたたちこそが本物の売国奴ではないですか



沖縄を基地の島にして 「狙ってください」と言わんばかりの日本国家は
植民地下のハワイを基地化し 日本の奇襲作戦から戦争に応えていったアメリカの姿と重なる
―ねぇ、何度 「捨石」にするつもり?

9・11のツインタワー崩壊 21世紀のアフガン・イラク戦争の呼び水 
嗚呼、盧溝橋事件を忘れるな

侵略の歴史は今現在も続いている

何もかも奪い搾取してきた立場なのにも関わらず
今この地に生きさせて頂いている巡り合わせを
主よ どうか教えてください


この感性そのものが支配と搾取の現在進行形でもあると知った上で 愛しさに思い入れてしまう愚かな私を

この島での時間を許された私のほんとうの責任を 取るべき行動を
この美しい大地を これ以上は踏みにじらない未来を選び取るために

新しい区画に土砂が投入されたこの日

今この地 この社会に生きさせて頂いている巡り合わせを
主よ どうか私に教えてください!






(2019年3月25日)









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2019.03.25 | | 未分類

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稲荷明古       inari akiko 2019

Author:稲荷明古       inari akiko 2019
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